先祖調査と古地図サイト

2020年09月20日

 

 先祖調査をしていると、ご先祖の住んでいた場所(故地)がどのような土地であったのかが気になるものです。


 除籍を取り寄せただけでは、本籍地を置いていた場所をご先祖が所有していたのか、借地だったのかは分かりませんが、その本籍地を現在管轄している法務局に旧土地台帳というものを申請すると、それが判明します。所有地であれば土地の広さ(地積)、土地の価格(地価)、土地の税金(地租)、明治22(1889)年以降の歴代所有者の氏名と住所(所有地と居住地が別の場合)なども詳しく分かります。

 旧土地台帳は無料で誰でも取得できる記録です。ぜひご先祖の土地所有状況を知るために、申請されることをお勧めします。

 この旧土地台帳を見ると、本籍地の地番に実は字名が付けられていることがありますが、その字名がどこに位置していたのかを知るには、「全国農地ナビ」というサイトが便利です。農地に限られますが、旧土地台帳に記載されている字名、地番が現在、どこに位置しているのかを地図上で示してくれます。


 ご先祖の住んでいた場所の古い地図と現在の地図を比較してくれるサイトもあります。埼玉大学の「今昔マップ」です。
 このサイトでは、全国9地域(首都圏、中京圏、京阪神圏、札幌、仙台、広島、福岡・北九州、東北地方太平洋岸、関東)の新旧地形図を切替で表示してくれます。まだ地域が限定されていますが、今後、エリアが広がることを期待したいものです。

 

 江戸時代の地図を見ながら、ご先祖の住んでいた村、ご先祖に嫁いだ女性の実家があった村、養子が来た村、養子に行った村などに目印をつけていくと、当時の通婚圏や生活圏を視覚で理解することができます。移動を制限されていた江戸時代、このエリアこそが、ご先祖にとっては全世界だったかも知れません。
 地図は家族歴史を考えるとき、私たちの想像力を刺激してくれるものです。ぜひ、かつてご先祖の住んでいた土地の古い地図を見てみて下さい。
 国土地理院の古地図コレクションには、見ているだけでも楽しい地図がたくさん公開されています。

 

 先祖調査とは直接関係ありませんが、昭和天皇が「これは奇麗で解り易い」と賞賛された吉田初三郎氏の鳥観図は素晴らしい出来栄えです。よろしければこちらもご覧ください。
 国際日本文化研究センターのデータベースで吉田初三郎氏の鳥瞰図が数多く公開されています。その独特な表現と美しい彩色は、きっとみなさんの目を楽しませてくれると思います。