本籍地の調べ方
住民登録している住所と本籍地が異なると、自分の本籍地が分からなくなめことがあります。昔は運転免許証に本籍地が記載されていましたが、現在はそれもないため、確認したいと思う人もいるでしょう。
そもそも本籍地とは、生まれた場所のことだろうと勘違いしている人がいます。この思い込みは今に始まったことではなく、今から50年程前の話ですが、北海道のある町役場で年間に受理した約1,500件の届出のうち、実に760件の届出者は自分の本籍地を知りませんでした。そして、そのうち311件は本籍地のことを出生地だと思い込んでいたそうです。その届出者のなかには公務員、教師、警察官も含まれていました。
これからも分かる通り、昔から本籍地というのは、よく理解されていなかったのです。
本籍地は明治5(1872)年に近代最初の戸籍(壬申戸籍)が作製されたとき、定められたもので、その時点の居住地が登録されました。このときの本籍地を現在まで一回も移していないという家は少なく、大抵は転居ともに何回か転籍しています。
戦前までは本籍地で徴兵検査を受ける義務がありましたから、本籍地=居住地という原則でした。ところが昭和26(1951)年に住民登録法が制定され、翌27年に施行されると、本籍地と居住地は別々に登録されるようになります。この時から本籍地は急速に使われなくなり、忘れ去られていったのです。
ちなみに本籍地は地番さえあれば全国のどこでも定めることができます。一番多くの人が本籍地を置いている人気№1は東京都千代田区千代田1番。これは皇居のある場所です。№2は大阪市中央区大阪城1番で大阪城。№3は兵庫県西宮市甲子園町1番で阪神甲子園球場です。ほかに東京ディズニーランドや東京タワーのある場所に本籍地を置いている人もいます。このように本籍地は実際に住んでいなくても、どこにでも置くことができるのです。
役所への届出や申請のときに本籍地を記入しなければならない時があります。そういうとき自分の本籍地の調べ方としては、住民登録している役所で住民票を取ることがもっとも確実です。住民票の申請書に「本籍・筆頭者の記載を要する」という欄がありますから、これにチェックを入れると、本籍地が記載された住民票を発行してくれます。
また、現在の運転免許証に本籍地は記載されていませんが、実は免許証の顔写真の左側にある四角いICチップには記録されているのです。これを下記の専用アプリで読み取っても本籍地を知ることができます。ただし、この場合に注意しなければならないことがあります。それは確認するには免許更新、あるいは登録時に設定した2種類の暗証番号(4桁)が必要なのです。これを3回間違えて入力すると、防犯のためICチップの読み取りができなくなってしまい、各試験場や各免許センター、各警察署に免許証を持って行って復旧してもらわなければならなくなります。そのため暗証番号を忘れてしまった時は、この確認方法は試さない方がいいでしょう。
ほかにも古い免許証や以前に取得した戸籍、相続の際の記録などが家のどこかにあれば、それで確認することもできます。両親に訊ねて確認する方法もあります。