家系図作成の話 全国の本を取り寄せる 

2018年12月18日

【お知らせ】 

 次回の道新家系図講座は来年の1月15日です。1月は1回しかありません。今年最後の豊水家系図講座は12月22日です。この日はPM2:00開講で、PM5:30からは忘年会です。


 さて、家系図を作成するためには数多くの文献を参考にする。とくにご先祖が住んでいた場所(故地)の市町村史は必ず読まなければならない必読書だが、残念ながら地方の市町村史は他の都道府県の図書館にはほとんど所蔵されていない。

 東京に住んでいる人は国立国会図書館に行けば、戦後に刊行された市町村史はほぼすべて閲覧することができるが、その国立国会でも戦前の郷土誌ということになると所蔵されていないものがかなりあるし、戦後刊行のものでも狭い地域を扱った少部数のものは、地元の都道府県立図書館でなければ蔵書がないということがある。

 かといって、市町村史を読むためにわざわざご先祖が住んでいた故地の図書館を訪問するのも経済的な負担が大きい。そんなときは、図書館間相互貸出を利用することになる。

 これは利用者の申し出によって、取り寄せ図書館がその本を所蔵している図書館から本を借り出すサービスである。利用者は最寄りの図書館のカウンターに取り寄せてもらいたい本を伝える。すると図書館側は、その本を所蔵している図書館を検索し、借り出してくれる。本は郵送されるが、その費用は取り寄せる図書館か利用者が負担する。本が取り寄せた図書館に到着すると、通常は電話で利用者にその旨が伝えられる。あとは、一般の本と同じ期間、借りて読むことができる。ただし、本の貸出については、所蔵していた図書館の規則が適用されるため、所蔵館で貸出が禁止されている場合は、取り寄せた図書館内で閲覧することになる。所蔵館で貸出が許可されている場合は、その所蔵館が認めている貸出期間を適用して貸し出される。ここで注意してほしいのは、国立国会図書館から取り寄せた本はすべてが貸出禁止となる点である。これは国立国会図書館が本の貸し出しを行っていないためで、国会図書館の本は取り寄せ館の中で閲覧し、取り寄せ館のコピー機を使ってコピーすることもできない。コピーしたい場合は、国立国会図書館に複写の申請書を提出しなければならない。市町村史というものは分厚い。1冊で1,000ページを超えるものも珍しくない。これが数冊あると、取り寄せ館で閲覧するのはなかなか骨が折れる。できれば家に持って帰って、リラックスして読みたいと思ってしまう。そのためには、同じ本であっても国立国会図書館以外の都道府県立図書館から貸出可能の状態になっているものを取り寄せる必要がある。最寄りの図書館に図書館間相互貸出を申し出る時には、「貸し出してもらえる図書館から取り寄せてほしい」と言うことを忘れないように。国会図書館にしか蔵書が無ければ仕方ないが、都道府県立図書館にもあり、それが貸出可能の状態であれば、家に持って帰ってゆっくりと読むことができる。

 1度に取り寄せられる冊数や、月に取り寄せられる上限が決まっているので、取寄せには計画性が必要である。取り寄せの費用を図書館が負担する自治体もあれば、利用者に請求するところもある。月に5冊までは図書館が負担するが、それを超えた分は利用者に請求するなど、自治体によって経費負担の方法もまちまちである。そのあたりについてはカウンターの職員に訊いてみることだ。

 この図書館間相互貸出を上手に利用して家系図作成の調査を進めてもらいたい。市町村史は先祖の故地を訪問して読むという手段もあるが、とにかく分厚く、冊数も多いところがあるので、これを故地の図書館で読むとなると、それだけで1~2日はかかってしまう。故地での現地調査はそうそう行けるものではないので、同姓宅や菩提寺の訪問、墓探し、村単位の旧土地台帳調査など、行かなければ不可能な調査を最優先に行いたい。そのためにも事前に図書館間相互貸出を利用して、おもな故地関連の郷土誌は取り寄せて読んでおくべきだろう。それによって、故地で調べる調査ポイントが発見されることも多い。

 ご先祖に関わるどのような郷土誌があるのかは、故地の図書館のネット検索にご先祖が住んでいた村名、その村の後の自治体(明治後期から戦前にかけての村合併で村から町になったところが多い)、そして現在の自治体名を入力してみれば、関係する市町村史がヒットするはずである。市町村史やその資料編が何十冊もヒットしたとき、うそのうちどれを読むかについては、回を改めて解説しよう。