何かと誤解されてしまう浮気さん

2018年11月13日

 浮気と書く苗字があります。名刺を出すと、必ず「うわき」と読まれてしまうので、「うき」とフリガナがふってあります。これほど誤解されやすい苗字もないですね。

 このような苗字がなぜ出来たかというと、地名にあるからです。有名なのは滋賀県守山市浮気町。「ふけちょう」と読みます。寛永年間(1624-44)から記録に見える地名で、湿地帯だったことに由来しています。浮気(ふけ)とは、水が地上に浮いている土地のことを言うのです。浮いているので「うき」とも読まれました。その「うき」に当てられたのが浮気の漢字。ほかの文字を当てている例もあります。たとえば宇喜(うき)さん。浮田さんは文字を飾って宇喜多と改めました。喜びが多い、という佳字(おめでたい文字)にしたわけです。豊臣秀吉に仕えた備前国(岡山県)の宇喜多秀家が有名ですね。


 

 守山市浮気町から出た浮気さんは滋賀県で広まりました。ほかに静岡県にもいます。「うき」の語源は湿地説が有力ですが、ほかにお酒を盛る大きな盃だという説もあります。どちらも当然ながら男女の浮気とはまったく関係ありません。

 水気の多い土地のことはウキともフキ・フケともいいます。フケなどは佳字化して富家、福家などと書かれると、もとの意味はまったく分からなくなってしまいますね。このように文字と語源の間に大きなへだたりがある苗字ほど調べると面白いものです。


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