佐藤さんの苗字ツーリズム

2018年11月22日

 佐藤さんは全国に188万7,000人ほどいて苗字ランキングの第一位です。そのルーツは第38代天智天皇の重臣藤原鎌足(614-69)の流れをくむ藤原秀郷将軍。室町時代にまとめられた『尊卑分脈』には秀郷の子孫である公清(きんきよ)が左衛門尉(御所の建礼門などを警備する近衛兵の小隊長)に任じられたことを記念して左+藤=左藤と名乗り、苗字は人が使うものなので人偏を加えて現在の佐藤姓が誕生したといわれています。

 現在の佐藤さんが全員、この佐藤公清につながるわけではありませんが、公清の子孫から出た継信・忠信兄弟は源義経に仕えて活躍し、歴史にその名を刻んでいます。

 佐藤さんのうち、ご先祖が東北出身の家はこの佐藤兄弟とゆかりがあるかも知れませんので、兄弟をしのぶ苗字ツーリズムを紹介しましょう。


 まずは藤原秀郷が築いたという唐沢山城。栃木県佐野市富士町に城跡があり、中世には佐野氏の居城でした。関東では珍しい高石垣の城で、2017年には続日本の百名城に選ばれました。山頂の本丸跡には、秀郷を祀った唐沢山神社が鎮座しています。



 次は福島県福島市飯坂町にある舘の山公園に向かいましょう。ここにはかつて佐藤兄弟の父親基治の居城であった大鳥城がありました。城は文治5年(1189)の奥州征伐によって攻め落とされ、佐藤一族のうちある者は地元に潜み、またある者は西へ向かって逃れたといわれています。


 最後は福島市飯坂町にある佐藤兄弟の菩提寺である真言宗医王寺を訪問しましょう。このお寺には佐藤継信、忠信兄弟の石碑があり、兄弟と源義経の銅像もあります。兄弟の石碑は江戸時代、削り取って飲むと病気が治ると信じられていたため、側面が大きく削られて、えぐれています。ほかに宝殿の瑠璃光殿には弁慶の笈(おい。修験者が背負う箱)や義経の兜(かぶと)、佐藤兄弟の鞍(くら)などが展示されています。


 佐藤さんなら一度は訪れてもらいたい苗字ツーリズムです。