一口さんは忌(い)み祓(はら)いが変化したもの

2018年11月10日

 次回の豊水家系図教室は11月24日です。


 珍姓中の珍姓といわれるのが一口さんです。読み方は「いちぐち」が一般的ですが、「いもあらい」と読む家もあります。

 なぜ一口と書いて「いもあらい」と読むのか?

 この苗字は地名から発祥しており、京都府久世郡久御山町に東一口・西一口と書いて「ひがしいもあらい」「にしいもあらい」と読む地名があります。この地は宇治川など三つの川の合流点に位置し、三方を巨椋池にはばまれ、出入り口が一つしかなかったことから一口と書かれるようになりました。




 それが「いもあらい」と呼ばれるようになった訳は、地元の漁師がこの地で穢(けが)れや疫病(とくに疱瘡=天然痘)などの忌(い)むものを祓(はら)ったためと推測されています。すなわち一口での「いみはらい」が変化して一口で「いもあらい」と呼ばれるようになったというのです。このような例はほかにもあり、飛ぶ鳥の明日香(あすか)がいつしか飛鳥(あすか)となったり、春の日の霞処(かすが)が春日(かすが)となったりしています。

 一口(いもあらい)という地名は東京にもあり、千代田区九段北の一口坂などがあります。やはり忌み祓いに由来すると思われ、とくに疱瘡(ほうそう。天然痘)を追い払う稲荷や地蔵がある地に命名されました。

 一口さんは、病気をおそれた昔の人の切実な願いから生まれた地名であり、そして苗字なのです。

 

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