日本史の本棚


 家系調査をしていると、さまざまな文献、記録、古文書を読みますが、分からない歴史用語が出てきたり、見知らぬ年号が書かれていたりすることがあります。いまでは大半のことはネットで検索すれば何かしら情報がヒットしますが、やはり一冊は年表付きの歴史事典を手元に置いておき、分からないことがあれば引くようにすることをお勧めします。紙をめくって調べたことのほうが記憶に留まりやすく、知識の積み重ねにつながりやすいからです。


 系図を見ると、律令制の官職を通称に用いている人物がいます。たとえば忠臣蔵の大石内蔵助が有名ですね。これは「くらのすけ」と読みます。幕末の仙台藩には三好監物という藩士がいました。「けんもつ」と読みます。幕末の旗本に松平采女という武士もいますね。これは「うねめ」と読みます。どちらも律令制の官職に由来した通称です。

 主水(もんど)、主税(ちから)、主計(かずえ)、蔵人(くろうど)などは歴史小説などでも見かけるので読みやすいと思いますが、主殿(とのも)や主馬(しゅめ)、将監(しょうげん)などは一瞬、読み方が分からないかも知れません。

 このような官職名の職掌と読み方を解説した本としては次のようなものがあります。『日本史に出てくる官職と位階のことがわかる本 』は入門編、『官職要解 』は専門的です。


 さまざまな歴史図鑑もでています。これらを見ていると、江戸時代の生活をリアルに想像することができます。笹間良彦氏の一連の著作はめくっているだけで楽しめます。


 物の値段や経済のことが分かると、暮らしが想像しやすくなります。また歴史考証の本も役立ちます。杉浦日向子氏の師匠だった稲垣史生氏や時代劇考証で有名な林美一氏のものは読みやすいです。明治3年(1870)生まれで、歴史考証家の先駆的存在である三田村鳶魚氏の原文は少々読みづらいかも知れませんが、鳶魚氏の文を稲垣氏が編集した事典は読みやすく面白いです。