大正14(1925)年の平均寿命は42.6歳

2019年11月24日

 0歳児があと何年生きられるかの期待値を平均余命(平均寿命)といいます。
 大正14(1925)年の調査によれば、現在から94年前の平均余命は何と42.6歳でした。織田信長が舞った謡曲敦盛の「人生五十年...」にも遠く及びません。これほど平均余命が短い原因は、乳幼児の死亡率の高さと青年期の肺結核による死亡率の高さでした。
 男性の平均寿命が79.64歳、女性の平均寿命が86.39歳の現代では信じられないような数字ですが、約100年前の人々の感覚では、45歳まで生きられれば長生きしたという実感があったかもしれません。それほど死は身近にあり、若くして亡くなる人が家族や知り合いに多くいたのです。古い戸籍を見ても、若死にした親族の多さに驚きます。
 私たちはご先祖の約2倍の人生を与えられている可能性があります。ご先祖たちがどんなに欲しかったか分からない時間を、私たちは日々与えられているのです。そのことを考えると、今日という日に感謝したい気持ちで一杯になります。 
 そして、この貴重な時間を、ご先祖の分まで大切に生きるにはどうしたら良いか、そんなことを考えながら過ごす一日があっても良いと私は思います。